健和会臨床看護学研究所長
日本赤十字看護大学名誉教授
一般社団法人 日本て・あーて
推進協会代表理事
前列左から手代木先生、福生先生、川嶋先生、早乙女、後列左から秋澤さん、坂本さん、高山さん、鎌田執行役員
川嶋みどり先生は、今年5月に94歳を迎えられる現役の看護師で、日本のナイチンゲールと呼ばれています。
とても利発で、聡明でそしてユーモアを交えたチャーミングさ、さすが100万人のトップに立たれた人物だけありました。
川嶋先生は昨年末に発行された紀要「未病と抗老化」に「未病ケアと看護の可能性」というテーマで看護と「未病」の結びつきと連携の必要性を説かれました。
これを機に栃木県で看護師であり、今は地域で「コミュニティーナース」として活動されている坂本朋子さん、高山由香利さん、秋澤きみよさんの未病サポーターの3人と、未病総研からは福生吉裕先生、手代木秀一先生、鎌田普明執行役員、そして早乙女の4人が参加し、川嶋先生から長年の経験から得た看護や「未病」との関係のお話をお聞きしました。
川嶋先生は現役看護師時代、多くの患者さんと向き合い、その中でも小児科病棟での脊髄腫瘍の9歳の女の子に、お湯とタオルで全身清拭して看護の力で生気がよみがえったお話など、看護で引き出す“治る力”を実感しました。
手あてをすることで心が開いた実例です。
こうした長年の経験を通して、看護とは自然治癒力を回復させることだと思いいたったそうです。
医薬品や医療機器に頼らなくても看護の力で高度医療を牽引できると話をされました。
川嶋先生は「看護師はあくまでの看護を行うべきです。看護とは医者の手助けをすることではありません。がんや認知症をを防ぐために、生活習慣を整えるようセルフケアの動機付けをする。行動変容を促し、病気にならない体をつくる。それが看護のアプローチです。」
とお話されます。
また先生は、健康のあらゆるレベルの人々への全人的ケアを専門とする看護師が、「未病ケア」の主力になり得ると言います。
今後の「未病ケア」に看護師の皆さんと力を合わせて活動していくことを確認しました。
(報告:早乙女和雄)