未病サポーターの皆様へ「未病一口伝言」(紅麹から健康食品を考える) 

「ムーンショット目標2」公開フォーラム

‟治すから防ぐ医療へ“視聴レポート

会員の皆様には先日【緊急のご案内】でお知らせしましたが、3月29日(土)13:30から「ムーンショット目標2」公開コンテストがリアルとオンラインで開催されました。

"治すから防ぐ医療へ“というテーマで、各分野の専門家の研究成果の発表がありました。「ムーンショット目標2」は、2050年までに、超早期に疾病の予測・予防をすることが出来る社会の実現を目指しています。
今回の発表は、各研究の骨子と途中経過の発表となりました。
そしてその内容は、まさに「未病」をキーワードにしたアカデミックで野心的な挑戦です。各専門家の研究発表の内容は以下の通りです。(科学技術振興機構のHPから引用)

  • プログラムディレクター 祖父江元愛知医科大学理事長・学長

健康寿命を延伸するためには、疾患が発生した後で治療するという従来の考えから脱却し、疾患の超早期状態、さらには前駆状態をとらえて、疾患への移行を未然に防ぐという超早期疾患予測・予防ができる社会を実現することが鍵になります。
そのため、観察・操作・計測・解析・データベース化等様々な研究開発を推進し、これらを統合して臓器間ネットワークの包括的な解明を進めていきます。

  • プロジェクトマネージャー 合原一幸東京大学特別教授/名誉教授

未病が表れる時期の予測データに挑んだのが合原教授グループの研究で、数理データ解析や数理モデル解析などの数理研究を、臓器間相互作用と制御に関す研究と統合する研究を行います。
それにより、2050年には、臓器間ネットワークを複雑臓器制御系として包括的に理解し、超早期精密医療へ応用することで、疾患の超早期予防システムが整備された社会の実現を目指します。

  • プロジェクトマネージャー 大野茂男順天堂大学大学院予防医学研究科特任教授

細胞生物学、イメージング技術、数理・AI技術などを統合的に活用して、膵臓がんなどの難治性がんの発症と悪性化のしくみを明らかにします。
それにより、2050年には難治性がんの発症を予測して予防することが出来る社会の実現を目指します。

  • プロジェクトマネージャー 片桐秀樹東北大学大学院医学系研究科教授

AI・数理モデル解析などを活用して、代謝・循環の調節に重要である自律神経を介した臓器ネットワークの機序を包括的に解明し、その制御手法を開発し、未病期段階の状態をより精密に検出します。
それにより、2050年には糖尿病及び併発疾患の発症を未然に防ぐ社会の実現を目指します。

  • プロジェクトマネージャー 高橋良輔京都大学大学院医学研究科特命教授

新規イメージング・計測・操作技術の開発により、脳と全身臓器ネットワークの機能とその破綻を分子・細胞・個体レベルで解明します。
それにより、2025年には認知症関連疾患の超早期の発症予測法と予防法を開発し、先制医療を享受できる社会の実現を目指します。

  • プロジェクトマネージャー 松浦善治大阪大学微生物研究所特任教授

ウイルスと人体の相互作用ネットワークを解析し、そのパタンを分類整理することにより、未知のウイルス感染症に対しても有効な診断・予防・治療法を先制的に準備します。
それに、2025年にはウイルス感染症の脅威から解放された社会の実現を目指します。

以上ですが、ムーンショットとは、ビジネスの場面においても「非常に難しいが、実現すれば多大な効果が期待できる大きな研究や計画」です。
合原教授によると、病気にうつろう未病という存在をデータで裏づけた研究例は、少なくとも数字の分野でははじめてといいます。
合原教授は「未病を診断し、治療する」という発想が広がれば、病気の患者が減るだけでなく、治療薬の可能性も広がると考えます。

「未病」が2025年を目標にした各種研究によってクローズアップされ、研究対象となったことはとても意義のあることです。

未病総研では、国民に「未病」をより分かりやすく身近な問題として捉えていただけるよう「未病総研メソッド」(①未病サポーターの養成 ②未病テック技術の開発・推進 ③未病ケア食品などの普及)として注力していきます。

 (報告:早乙女和雄)

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