未病サポーターの皆様へ「未病一口伝言」(紅麹から健康食品を考える) 

「2022年度未病総研グランプリアワード」がオンラインで開催されました。

報告:日本未病総合研究所 早乙女和雄

コロナの感染拡大を受け、7月31日(日)に日本医科大学で開催予定だった「未病総研グランプリアワード」が8月28日(日)にオンラインで開催されました。

「社会も健康にするSDGs食品〝未病ケア食品“を探る」をテーマに開催された「未病総研グランプリアワード」には100名弱の参加申込みがありました。

3名の高名な先生のご講演と4社の「未病総研ブランド100」ノミネート商品のプレゼンテーションがあり、いづれも「未病ケア食品」の認知、普及への熱い思いが語られました。


プログラムは福生吉裕未病総研代表理事のオープニングリマーク「社会も健康にするSDGs食品(未病ケア食品)の提唱」で始まりました。コロナで動いた後戻りできない社会の出現は、医療崩壊の危機を招きました。国民皆保険制度の持続の危機が叫ばれる中で、制度の持続が重要であり、「未病」の概念を復活させるには具体的ツールとして「未病ケア食品」を広めていくことが大切であると話されました。

 

続いて日本未病学会理事長、慈恵医科大学付属柏病院長の吉田博先生から「日本未病学会の歩みと展望、機能性食品部会の活動について」をテーマにご講演いただきました。
吉田先生からは「未病」の概念説明と日本未病学会の歴史の説明があり、学会の目的、学術研究についての説明、具体的な研究と活動分野の説明がありました。そして学会の中の各部会の説明と機能性食品部会が活動中であることのお話がありました。また代表的機能性としてポリフェノールとカロテノイドの働きと有効性の説明があり、これらの機能性を有する機能性食品の役割は大きいと話されました。

 


お2人目には順天堂大学医療科学部特任教授長岡功先生が「第29回日本未病学会を主催して そのハイライト」をテーマにご講演をいただきました。11月12日~13日に千葉県浦安市の順天堂大学浦安キャンパスで開催される日本未病学会の総会は「今、あらためて未病について考える」というテーマで開催され、「未病」について最新の情報を提供したいと思っていますとのことでした。そして各部会によるシンポジウムの内容の説明があり、詳しくは学会HPで確認、申込をいただきたいと締めました。

 

最後のご講演は早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構の矢澤一良先生から「ウイズバイラス時代における健康食品業界の現状と流れ」をテーマにお話を頂きました。コロナで終わらない、今後も新しいウイルスが出現する時代の健康は、食による予防医学の意識を高め、「未病」の意識を高めることが重要と話されました。また「平均寿命」と「健康寿命」の差が縮まっておらず、「健康寿命」の延伸から差を縮めることに主体を置くことが大事と話されました。その為に「栄養」「運動」「休養」による予防医学を考えましょうと提唱され、中でもフレイル対策が重要で特にプレフレイル状況(未病状態)で察知し、対策をとることが重要であると訴えられました。

 

3人の先生からはご活躍の分野での貴重なお話がいただけて大変参考になりました。

休憩を挟んで4社による「未病ケア食品」ノミネート・プレゼンテーションが行われました。今回は多数の応募商品の中から「安全性」「機能性」「適正価格性」「SDGs性」の基準を満たして6月の第1次審査を通った4商品がプレゼンテーションしました。4商品のプレゼンテーションの内容は以下の通りです。

「長岡の人参精」 長岡実業株式会社 技術部 小林孝也さん

「長岡の人参精」は日本古来の製法を受け継ぎ、日本薬局方にも収載されているお湯でじっくり煎じた抽出エキスで、医薬品に準じた厳格な製造管理、品質管理が行われている安心・安全な健康食品であり、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)の細胞障害活性を増強することが動物実験及びヒト臨床試験で明らかにされています。

サプリメント「つきみちる」 株式会社グリーンハート 代表取締役 尾都野信子さん

「つきみちる」は特殊製法で牡蠣の栄養素そのままに、安心・安全なマルチミネラルサプリメントとして開発されました。日本人女性の極端な亜鉛不足、水銀の蓄積などの現状を改善し、複数の臨床試験でHba1cや各種ミネラル値の改善が認められました。特に妊娠時系列のミネラルバランスを整えるためのサプリメントとして提案します。

「オーストリッチミート」 株式会社スピーディア 代表取締役 辻 智子さん

ダチョウ肉は低脂質、高タンパク、高鉄分、高B12で、摂取後の血中アルブミン酸の変化、成長ホルモン分泌について有効性が報告されています。そしてダチョウ肉の摂取がアスリートの筋肉増強、高齢者のフレイル予防、疲労や尿酸値の抑制に有効であると考えています。また穀物資源の節約とフードロスの削減に有用であり、SDGs性の高さも認められています。

「セラム・シルクフィブロイン」 ドクターセラム株式会社 代表取締役 吉川育矢さん

「シルク・フィブロイン」は蚕が生み出したシルクに含まれるフィブロイン蛋白を特殊な製法で取り出した成分で、取り出したフィブロインには吸脂生、多孔性があり、食事として摂取した余分な脂や糖を吸着して体外に排出します。また各種試験により、ヒトでのデータ特に未病域、用治療域の方に脂質代謝改善効果と安全性が確認されています。

「未病ケア食品」にノミネートされた4社からのプレゼンテーションの後、コメンテイターの先生より総合コメントがあり、各先生からは素晴らしい内容のプレゼンテーションであり、「未病ケア食品」として期待したいとのコメントをいただきました。

そして4社には未病総合研究所から「未病総研ブランド100認定証」が贈られました。

プログラムの最後には、参加者の皆さんとコメンテーターの先生方との質疑応答が行われ、参加者とコメンテーターの先生方との交流に話がはずみました。

「未病」の普及、浸透にはまだまだ十分ではありませんが、今回のセミナーを通してより多くの方に「未病」を理解していただき、普及にご協力いただけるものと確信しました。

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