人口構成の変化に応じた社会保障制度の持続可能性を求め、
ダイナミックな改革としての「未病提言」が厚労省に提出されました。
【表題】かけがえのない国民皆保険制度の持続の為の現代未病の活用を。
(副題)健康と未病と病気の3極で国民皆保険制度の再編の準備を。
4月22日(月)日本未病総合研究所 代表理事 福生吉裕ら8名により「未病提言」が武見敬三厚労大臣に手渡されました。
提言提出団体は、日本賢人会議所、日本未病学会、日本総合研究所の3団体(合計1198名)からです。
【要旨】現役世代の「負担と受益」の格差是正に向けて。
少子高齢化と人口減少に歯止めがかからない現在、さらに国⺠医療費は毎年上昇し、2023 年は 46 兆円を上回ってきています。
社会保障制度が維持される大前提は人口構成がピラミッド型ですが、しかしこれが逆ピラミッド化に向かう時代では、社会保障制度の根幹でもある国⺠皆保険制度は 「負担と受益」という観点より世代間での格差が生じ、持続困難になるのは自明の理です。
特に現役世代への医療保険料負担の増加は問題です。
ダイナミックな対応策を考える時代:未病の導入で身体のパイを拡げる
政府はこれらの対策として保険料の値上げ、外来医療費負担料の値上げなどで調整を図ってはいますが、このままでは現役世代と高齢世代間における負担と満足度の格差はますます拡大するばかりかと危惧されます。
人口構成の変化に見合った国⺠皆保険制度持続へのダイ ナミックな対応が喫緊の問題です。それには心身状態の概念のパイを拡げる事も一案です。
健康と病気の間に未病の概念を統合し、この未病を活用することで国⺠皆保険制度の補強と持続を願うものです。
ポイントは「天動説から地動説への目覚め」
「健康か病気か」の世界観(からだ天動説)は実は保険制度の成立で出来た人工的なモノに過ぎません。
病気として認められないと保険で受診できないからです。
本来は「健康と病気は連続しておりその間に“未病”があるのが自然です(からだ地動説)。
現在はこの からだ天動説で皆が自縄自縛に陥ってしまっているのが実情ではないでしょうか。
しかも、疾病保険が出来た当時(ビスマルクにより1883年成立)の病気の数は1800でしたが、現在はその10倍もの病名が保険病名として登録されている状態となっています。(ICD 11分類)。
蓄積したエビデンスのある「現代未病」のデーターの活用で社会的認知度の高揚を。
“自分で守れる状態”を未病状態とした「現代未病」は日本未病学会(旧未病システム学会)による30年間以上の活動で科学的エビデンスが積み重ねられています。
未病サポーターの養成活動(10万人目標)、未病ケア食品、未病テックの顕彰なども行われ、さらに社会的アピールとして「未病の日」(12月17日)が設定され啓発活動も行われてきています。
未病概念のモットーは「自助」でもって自分の身体を守る活動に繋がることを提唱しています。
ヘルステック・未病ケア産業の発展とその連携の提言
AI,IT、DXの急激な進化に伴い、この未病状態の見える化も急速に進んできました。
いつでも、どこでも自分の未病が簡便にチェック出来る時代になってきています。
自己制御が可能の時代が訪れてきています。
これらのDXの進化を未病社会に取り込むことを提唱します。
WHOへの働きかけ、未病(Mibyou)を世界用語に
WHOでは健康の定義は成されていますが、未病の概念はまだありません。
漢字文化圏で ある東アジア諸国(中国、韓国、台湾)でも少子高齢化は進み、その国の医療保険制度の持続は最重要課題となって来ています。
日本で開催された第20回日本未病システム学 会(2013 年)を契機に中国、韓国、台湾との学術団体(医科大学、厚労省施設、医師会)とも交流が進み、日本発である「現代未病」の考え方は東アジア諸国で理解され実現化されてきています。
未病イニシアティブを推進するためにもWHOへ 未病の概念の働きかけをしていただきたい。
【総括】 健康と未病と病気の三極で国民皆保険制度の再編成の準備を
少子高齢化、人口減少に⻭止めが架からない今こそ、未来の世代へかけがえのない国⺠ 皆保険制度をつなぐためにもからだ状態のパイを拡げる“現代未病”の概念の啓発と活用を願ってやみません。
ここに日本未病学会、日本賢人会議所、日本未病総合研究所より医療関係者5名、一般有識者13名より現代未病の活用とその応用方法など具体例を「生の提言」として集めました。
すでに未病が社会実装として根をおろしつつあるのも見られてきております。
私たちの「未病領域推進の提言」は健康寿命の延伸と現役世代の経済的負担を少なくし、 今後の国⺠皆保険制度の持続の為に活用出来ると確信をしております。
その準備をしていただきたくここに提言として 提出いたします。
2024年4月22日 未病提言 統括責任者 福生吉裕
日本未病学会で認証されている未病の値(未病1期と未病2期)
【日本未病学会、日本未病総合研究所、日本賢人会議所未病タスク委員会が認証する未病の概念図】 (未病1・未病2ゾーンの認識と応用で自立養生型社会の出現をはかる)
ーーー 武見厚労大臣への未病提言 提出参加者名簿 ---
場所:厚労省大臣室
期日:令和6年4月22日
1)福生吉裕
(一財)博慈会記念総合病院 代表老人病研究所 所長
(一社)日本未病総合研究所 代表理事
2)吉田 博
東京慈恵会医科大学付属柏病院 病院長・教授
(一社)日本未病学会 理事長
3)中島 滋
文教大学 学長
(一社)日本未病学会 総務担当理事
4)西根英一
(株)ヘルスケア・ビジネスナレッジ代表取締役社長
事業構想大学特任教授、千葉商科大学サービス創造部特命教授
5)早乙女和雄
(一社)日本未病総合研究所 理事・副所長
6)花高 凌
(株)WELL BE INDUSTRY 代表取締役
7)尾都野信子
(株)グリーンハート 代表取締役
8)吹田朝子
STコンサルティング有限会社 代表取締役
1級FP技能士
ーーー 当日参列出来なかった執筆者の方々 ---
尾山重美
(一社)日本賢人会議所 理事・元日本工機株式会社 常務取締役
石飛勇次
(一社)日本賢人会議所 元理事・陸上自衛隊 富士学校 元校長
渥美豊太郎
NPO法人日本食育協会 総事務長 元専務理事
藤井秀樹
(一社)日本賢人会議所 会員 山梨大学 名誉教授
永山俊男
(一社)日本賢人会議所 理事 元旭硝子化工貿易(上海)総経理
梅澤 努
長岡実業(株)執行役員技術部長
進士 晃
長岡実業(株)取締役 専務執行役員
鎌田普明
(一社)日本未病総合研究所 執行役員
河野順一
(株)ネスパ会長
小林眞理子
東京メディカルライオンズクラブ幹事